2023年11月22日
こんにちは、営業部の間宮です。
ここ最近は日中も寒くなってきましたね!
今日は「あの世」と「この世」の話です。
「あの世に行く」「この世とおさらば」などの表現を使う事があります。
これは死を表していますが、私たちはあまり宗教的な意味での、神の世界や
仏の国などを意識していないようです。
もちろん、天国や極楽、あるいは地獄などのイメージは、誰にでもあるようですが、
そこに特段の思いがあるようには見えません。
ひと言、「あの世」で事足りてしまうのが私たち日本人の基層にあるようです。
あの世とは、そもそもこの世とはまったく「さかさまの世界」、時間や所作なども含めて
いわば鏡に映し出された正反対の世界だと言われてきました。
ですから、あの世への旅立ち(お葬式)には、すべてこの世と逆のしぐさや施しをします。
例えば、逆さ屏風。現代ではあまり見られませんが、部屋の小さなしきりとして
二つ折りの膝高の屏風や衝立が、昔はどの家にもありました。これを、天地を逆にして
遺体の枕元に置きます。逆さ水(湯)も、遺体を拭き清めるあるいは湯灌するものですが、
湯加減は、湯に水を足しません。水の中に湯を入れます。また着物を死者に着せる時、
普段と逆の「左前」に胸元を合せるしきたりなどがあります。
また、時間も逆ですから、あの世の明るいうちに葬送をします。
つまり、この世の夜にお葬式(通夜)をします。
もう一つ。あの世はどこにあるか、考えたことはありますか?
天上、海の彼方、山中など、色々な信仰によって位置づけられますが、
これもひと言、「草葉の陰」で言い表せます。
つまり、私たちの身近な自然、足元、という事です。
このように豊かな感性の中に私たちの「あの世」があります。