葬儀のマナー

常滑市における葬儀の風習

常滑市ならではの葬儀の風習について

常滑市には、その歴史や文化が反映された独自の葬儀の風習が数多くあります。今回は、その中でも特に特徴的な「先火葬」や「友引の火葬」、そして会葬者の習慣などについて詳しくご紹介します。

先火葬が多い理由

先火葬が多い理由

常滑市では、故人を火葬してから葬儀や告別式を行う「先火葬」が一般的です。この風習は、常滑市の窯業が盛んな地域特性や歴史的な背景に由来しています。窯業では窯の火を絶やさないことが重要です。

また、戦時中の影響とも言われています。

なお、「先火葬」は常滑市だけでなく、東北地方や中国地方、九州地方の一部地域、沖縄などでも見られる風習です。これらの地域では一般的な葬儀の形として根付いているため、「骨葬」と特別な呼び名で呼ばれることはありません。

友引でも火葬が行われる

多くの火葬場では「友引」を定休日とすることが一般的ですが、常滑市では友引の日にも火葬が行われる珍しい習慣があります。これは「先火葬」の風習が根強いことが理由の一つです。

「友引」という日は本来、葬儀を避ける風習があります。理由としては、「友を引いていく」という語呂合わせから、故人が知人を連れて行ってしまうという考えがあるためです。しかし、常滑市では人形を代わりに手向けることで、故人に同行させる意味合いを持たせています。なお、友引の日に火葬は行われますが、告別式などの葬儀は避けられるのが一般的です。

常滑市の火葬場は毎月1日と15日が定休日です。

会葬者が列席する風習がない

常滑市の葬儀では、他の地域と異なり、会葬者が葬儀式に列席する習慣があまりありません。「先火葬」が主流であるため、告別式の時点で故人はすでに火葬されており、通夜は夜通しで行われるという風習が根付いています。このため、会葬者は通夜や告別式の後、早めに帰宅することが多く見られます。

お顔を見てお別れをされたい方は、事前に「お淋し見舞い」にご自宅や安置室(安置されている場所)へ伺うケースが一般的です。

昭和時代からの折込みチラシ

昭和の時代から常滑市では、不幸があったことを新聞の折込みチラシに入れてお知らせする風習があります。

最近では葬儀の規模が縮小化されていることもあり減少していますが、15年程前までは市内(特に旧常滑)にお住いの方はほぼ100%に近い割合で折込みチラシを入れていました。

全国的にもかなり珍しい、常滑ならではの風習です。