今回の豆知識では、葬儀後のしきたりと法要についてのマナーをご説明していきます。
香典返しに礼状は贈らないのがマナー
香典返しとしていただいた品物やあいさつ状には、礼状を出さないしきたりです。
大きな悲しみを抱えているときに「ありがとう」とお礼を言うことはふさわしくないためです。届いたことを知らせるのは構いません。親しい間柄であれば、電話で近況を尋ねつつ、「ご供養の品、いただきました。恐れ入ります」などと伝えます。「ありがとう」や「嬉しかった」などの表現を避けて話しましょう。
形見分けは素直に受け取る
忌明け後に、故人が愛用していた遺品を、近親者や友人などに贈るしきたりが「形見分け」です。故人が生前、お世話になったお礼の意味もあります。申し出があった場合は、「ありがとうございます。思い出の品として大切にさせていただきます」と素直に受け取りましょう。
あまりにも高価な品や、自分にふさわしくない品は「遺品を見ると辛くなるので」と丁重にお断りします。ごく親しい場合を除いて、こちらから形見分けをお願いすることはマナー違反となります。
喪中の相手には年賀状を出さない
年末に服喪中の人から「年賀欠礼」のあいさつ状が届いたら、こちらからも年賀状を出しません。喪中欠礼が届かなくても、相手が喪中だと知っている場合も控えます。
年賀欠礼状で初めて不幸を知った場合や、喪中とは知らずに年賀状を出してしまった場合は、不幸を知らなった失礼を詫び、お悔やみを述べた手紙を出します。手紙だけでは気持ちが済まない場合は、線香などの供物を贈ってもよいでしょう。
法要に招かれたら出席するのがマナー
四十九日や一周忌などの法要(法事)に招かれたときは、出席するのが原則です。先方の準備の都合もあるので、案内状が届いたら、すぐに返事をしましょう。
当日は、法要開始の20~30分前には到着し、まず施主に「本日はお招きいただきまして恐れ入ります。ご一緒にご供養させていただきます。」と挨拶します。「ありがとうございます」という言葉は避けます。
服装
一周忌までは、喪服に近いものを着ていきます。
四十九日や一周忌までの法要には、喪服に近いものを着用します。男性はブラックスーツ、女性はブラックフォーマルなどにします。三回忌以降は黒ではなく、地味な平服で大丈夫です。
一周忌まででも、案内状に「平服で」と記されているときは、黒でなくても構いません。男性はダークスーツ、女性は地味なスーツやワンピースなどが適しています。